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“海を渡る山笠”佐賀県唐津市の祇園祭─終了しました
「祇園祭」と言えば、やはり京都の祇園祭ですね。「スサノオノミコト」を祀る八坂神社(京都市東山区)の祭事で、疫病を祓うための御霊会から始まったと言われています。八坂神社が神仏習合の時代に、比叡山に属して「祇園社」と呼ばれていたことから祇園祭と呼ばれるようになったとか。
八坂神社は日本全国に約三千の分社があり、京都の祇園祭と同じく日本三大祇園祭に数えられる博多祇園山笠など、祇園祭も日本全国各地で今も賑やかに行われています。
京都と同じように、1658(万治元)年に疫病(コレラ)が流行した際に、災厄退散をスサノオノミコトに祈願したことから始まった祇園祭の一つが、佐賀県唐津市の小友(こども)祇園祭。笠竹に御弊を付けて村内を御祓いして廻ったことが神事の始まりだと伝えられています。
現在では、高さ15m、重さ3トンの巨大な山笠を3カ月前から身を清めた50人の若者たちが、担いで町内を練り歩き、また“海を渡る山笠”と言われるように、首まで海につかって運行します。このため、毎年旧暦の6月14日・15日の大潮の日が祇園祭の日と定められています。今年は、7月17日(日)と18日(月・祝)がそれに当たります。
一方、唐津市浜玉町で毎年7月の第4土日に開催されているのが「浜崎祇園祭」。1753(宝暦3)年にやはり疫病退散と五穀豊穣を祈念して始まった伝統行事で、2002(平成14)年に唐津市の重要無形文化財に指定されました。
高さ15m、重さ5トンという全国でも最大級の大きさを誇る山笠3台が、締め込み姿の約150人の男たちによって曳き回され、浜崎市街地を練り歩きます。屋形や人形で豪華絢爛に飾りつけられた山笠が「ヨイヤサー」の掛け声とともに宵のまちをゆっくりと曳き回される勇壮なお祭りです。それに加え、祭りの終盤に行われる山笠を旋回させる「おおまぎり」でのスピード感ある綱さばきは必見。
山笠と一緒に奉納される山囃子は笛、太鼓、鐘に三味線が加わる独特なもので「浜崎の山囃子」として知られています。今年は、7月23日(土)・24日(日)の開催となります。
<「小友祇園祭」の開催概要>
◆開催期間:2016年7月17日(日)・18日(月・祝)
◆場所:佐賀県唐津市呼子町小友
◆アクセス:JR唐津駅下車、徒歩5分の唐津(大手口)バスセンターから呼子経由呼子フェリー発着所行きバスで、「長沙子」下車、徒歩10分
◆HP:http://www.xn--hdsx90fkd.jp/
<「浜崎祇園祭」の開催概要>
◆開催期間:2016年7月23日(土)・24日(日)
◆場所:唐津市浜玉町浜崎
◆アクセス:JR「浜崎駅」から徒歩5分
◆HP:http://www.hamasaki-gionsai.sakura.ne.jp/
<写真提供>
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