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南国の梅雨が明ける海の祭り「糸満ハーレー」─終了しました
沖縄では、ハーレーの鉦が鳴ると梅雨が明けると言われています。沖縄本島最南端にある糸満(いとまん)市でも毎年旧暦の5月4日に海の恵みに感謝し、よりいっそうの大漁と航海安全を祈願して、糸満ハーレーが行われます。
糸満ハーレーは、今から450年前とも580年前とも言われる古い時代に、豊見城の城主で後に南山王となった汪応祖(おうおうそ)が、中国で見てきた行事を伝えたと言われ、糸満の唯一の海の祭りとして盛大に行われます。
大漁と航海安全を祈願するウミンチュ(漁師)の祭りとして、早朝から古式に則ったハーレーの御願(うがん)が執り行われ、その後、御願バーレーの競技が開催されます。また、古い時代の集落である西村、中村、新島の3つのムラに分かれて、ムラ対抗で行われ、それぞれのハーレー舟(サバニ)には12名のハーレーシンカ(ハーレー舟に乗るメンバー)が乗り込み、各ムラの名誉のために覇を競い合うのです。
現在は、中学生ハーレー、青年団ハーレー等のムラ対抗による競技のほかに、地域の人々の参加による高校生競漕、教員団競漕、職域競漕などがあり、一般参加のアヒル取り、スイカ取り競争も行われます。
行事の最後を飾る「アガイスーブ」は、最も長丁場の2160mの距離を、力と技を競い合いながら全力で漕ぎ抜き、これに優勝することは、ハーレーの最高の名誉とされ、各ムラとも選り抜きのこぎ手を揃えます。
アガイスーブが終わると、漕ぎ手たちは競漕の順位とは関係なく、古式に則って西村、中村、新島の順に糸満の“ヌル(祝女)”の家に行き、それぞれのムラのハーレー歌を奉納します。糸満のハーレーは御願で始まり、御願で終わる伝統的な行事なのです。
外国人も含め、3万人を超える見物客を集める糸満ハーレーは、5月28日(日)と29日(月)に糸満漁港中地区で開催されます。
糸満市では、他に「名城(なしろ)ハーリー」が5月29日(月)に、「喜屋武(きゃん)ハーリー」が6月4日(日)に行われます。
なお、サバニによる競漕は、沖縄でも一般的に「ハーリー」と呼ばれることが多くなっていますが、糸満のウミンチュたちは伝統を守って「ハーレー」と呼び続けてきました。1977年開催の行事委員会で、ウミンチュたちの意見を尊重し、呼び方を「ハーレー」と統一することが全会一致で決まり、以降は「糸満ハーレー」となりました。
<「糸満ハーレー」の開催概要>
◆開催日時:2017年5月28日(日)14:00~(少年少女バーレー、門中バーレー)
5月29日(月)9:15~(本バーレー)
◆会場:糸満漁港中地区(沖縄県糸満市字糸満603-1)
◆料金:無料
◆主催:糸満ハーレー行事委員会
<「名城(なしろ)ハーリー」の開催概要>
◆開催日時:5月29日(月)8:00~
◆会場:北名城ビーチ(西浜)(糸満市名城960)
◆主催:水土里ネットいとまん
<「喜屋武(きゃん)ハーリー」の開催概要>
◆開催日時:6月4日(日)9:00~
◆会場:喜屋武漁港(糸満市喜屋武)
詳細は糸満市観光特設サイト「いとまん観光ナビ」をご覧ください。
http://www.city.itoman.lg.jp/kankou-navi/
<写真提供>
糸満市