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江戸時代そのままのたたずまい「今井町並み散歩」─終了しました
奈良県橿原市。近鉄八木西口駅から飛鳥川にかかった蘇武橋をわたると、そこは今も江戸時代そのままのたたずまいを残す町・今井町。1993(平成5)年に「重要伝統的建造物群保存地区」の選定を受けたこの町は、東西約600m、南北約310m、面積17.4haの地区内の約1500棟弱の建物のうち、約500棟が伝統的建造物という、全国で最も伝統的建造物が多い地区となっています。しかも国の重要文化財が9件、奈良県指定文化財が3件、橿原市指定文化財が5件あり、いずれもが民家建築の貴重な財産と言えます。
今井町の起こりは、天文年間(1532~55)に、本願寺の今井兵部によって建てられた称念寺と言われています。農民などを門徒化し、ここを拠点に一向宗の布教を進めるためでした。世は戦国時代。天下統一を狙っていた織田信長と一向宗は敵対し、今井町も濠を深くし、厳重武装で反抗していましたが、本願寺の降伏に伴い、交流の深かった堺の豪商・今井宗久や明智光秀のとりなしで武装放棄。その後、商工業都市として発展し、「今井千軒」「海の堺、陸の今井」と称されるほどに発展。江戸幕府にも一目置かれるほどの財力を保ち、自治的特権が与えられるようになります。
明治維新によって富豪が消滅し、大正時代の鉄道開通で町の賑わいは駅周辺に移りましたが、昭和の後半、町並み保存の動きも起こり、町並みを保存しながら住環境を整備する方向が打ち出され、この町の文化的・歴史的価値が広く認識されるようになったのです。
今井町では町並み保存会が中心となって、多くの人にこの町を知ってもらおうと、毎年5月に「今井町並み散歩」が行われています。今年で21回目を迎え、5月7日(土)から15日(日)まで開催されています。
15日(日)には今井町出身で、信長、秀吉に茶頭として仕えた今井宗久とお茶をテーマに、その時代の衣裳で町を歩く茶行列が行われます。街かどのギャラリーなどにアートが展示される「町かどアート」や重要文化財の内部公開、観光ガイドウォークなど今井町の町並みに触れるさまざまなイベントが町内各地で催されます。
<「第21回今井町並み散歩」開催概要>
開催期間:2016年5月7日(土)~15日(日)
開催場所:今井町(奈良県橿原市)重要伝統的建造物群保存地区内
アクセス:近鉄「八木西口駅」より徒歩約5分、JR「畝傍(うねび)駅」より徒歩約8分
主催:今井町町並み保存会・今井町自治会
<主なプログラム>
★茶行列★
公募の参加者が今井町ゆかりの茶人・今井宗久とお茶をテーマに、その時代の衣裳に扮して町を歩きます。
日時:5月15日(日) 10:00~、14:00~ いずれも1時間程度
★町かどアート★
開催期間:5月7日(土)~15日(日)
開催場所:町内町家など(絵画展示)、称念寺「書と拓本の出会い展」、中町筋生活広場「松下清司まちかどギャラリー」、順明寺「中井良雄個展」など
★重要文化財の内部公開・今井町衆市・観光ガイドウォークなど★
開催期間:5月14日(土)~15日(日)
その他詳細は今井町並み保存会の公式HPをご覧ください。
http://www3.kcn.ne.jp/~imaicho/
今井町についての詳細は橿原市の観光HP「かしはら探訪ナビ」をご覧ください。
http://www.city.kashihara.nara.jp/kankou/own_imai/kankou/imaichou/index.html
<写真提供>
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