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世界遺産 平泉「毛越寺萩まつり」─終了しました
岩手県南部に位置する平泉町。11世紀末から12世紀にかけ、「平泉」は仏教に基づく理想世界の実現を目指して造営された奥州藤原氏の政治・行政上の拠点でした。
奥州藤原氏は、四代泰衡のときに、頼朝によって滅ぼされますが、平泉の建造物群は保護され、仏教、浄土思想の考え方に基づいて造られた多様な寺院・庭園や遺跡が残されています。この世に理想世界を創り出そうとした寺院や庭園は、海外からの影響を受けつつ日本で独自の発展を遂げたもので、他に例のないものとされ、2011年「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園および考古学的遺跡群-」として、世界文化遺産に登録されました。
世界遺産の5つの構成資産の一つ、毛越寺は、中尊寺と同じく、850(嘉祥3)年、慈覚大師円仁によって開山されたと伝わっています。往時には堂塔40僧坊500を数え、中尊寺をしのぐほどの規模と華麗さであったと言われていますが、奥州藤原氏滅亡後、度重なる災禍のためすべての建物が焼失。現在は大泉が池を中心とする浄土庭園と平安時代の伽藍遺構がほぼ完全な形で保存され、国の特別史跡・特別名勝の二重の指定を受けています。
毛越寺庭園では、秋を代表するハギの花が見ごろを迎える9月中旬から下旬にかけて、「萩まつり」が行われます。境内には、ミヤギノハギ、シロバナハギ、ヤマハギの3種類計500株が植えられ、赤紫色などの花が枝いっぱいに咲き誇ります。
まつりの開催中には、邦楽の演奏会や国重要無形民俗文化財の「延年の舞」公演、茶会などが、休日を中心に行われます。
<「毛越寺萩まつり」の開催概要>
◆開催期間:2017年9月15日(金)~30日(土)
◆拝観時間:8:30~17:00
◆場所:毛越寺(岩手県平泉町字大沢58)
◆アクセス:JR東北本線「平泉駅」から徒歩約7分
◆拝観料:大人500円、高校生300円、小・中学生100円
<期間中の行事>
★花供養会★
開催日時:9月15日(金) 10:00~
★邦楽演奏会★
開催日時:9月18日(月・祝) 10:00~
★延年の舞公演★
「延年」は長寿を意味し、遊宴歌舞は延年長寿につながることから、諸大寺の法会のあとに催される歌舞を総称して用いられるようになり、平安時代から室町時代にかけて盛んに行われました。毛越寺の延年の舞は、平安時代の優雅な雰囲気と古い形式を伝え、国の重要無形民俗文化財に指定されています。毎年正月20日の「二十日夜祭」で奉納されるほか、春・秋の藤原まつり、あやめ祭り、萩まつりでも一部公開されています。
開催日時:9月24日(日) 11:00~
演目:唐拍子、若女禰宜、留鳥
詳細は、一般社団法人 平泉観光協会の公式サイト「ひらいずみナビ」をご覧ください。
<写真提供>
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