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関東屈指の祭り「佐原の大祭夏祭り」─終了しました
千葉県香取市佐原は、江戸時代利根川水運の発達により、年貢米の津出し場や周辺地域の物資の集散地として栄え、「お江戸みたけりゃ佐原へござれ さはら本町江戸まさり」と言われるほどの賑わいを見せていました。有力な商人たちは江戸の文化を吸収しながら独自の祭りを発達させ、佐原本宿の夏祭りと新宿の秋祭りは、関東屈指の祭りとされ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
八坂神社(旧牛頭天王社)の祇園祭である「夏祭り」は、古い町並みを残す佐原の中心部を流れる小野川の東側、本宿と称される地域の氏子各町内から山車が10台繰り出され、各町内を曳きまわします。
江戸時代末期から明治の初めにかけて江戸職人の手による大人形が出現し、山車人形が主流になっていきました。大人形は高さが一丈(約3m)以上あって、山車1台に一人が乗っています。大人形には、鯉や鷹、おとぎ話の浦島太郎などのほか、神武天皇、仁徳天皇などの皇祖系の人形もあり、山車には名工と呼ばれる彫工の手による華麗な彫刻がなされた“作品”も数多く残されています。
祭りでは、山車を各町内で思い思いのコースで曳きまわす山車の「乱曳き」が行われ、狭い道や直角に曲がるときなど、看板、家の軒などすれすれに曳きまわされる巧みな技を見ることができます。重い山車を曲芸のようにさまざまに動かして見せる「曲曳き」は、江戸にも京にもどこにもない独自の祭りを作り出すことから生まれた独特の山車曳きが発展したものです。「のの字廻し」「小判廻し」「そろばん曳き」などが生まれ、曳き技と力を競い、佐原衆たちは「江戸優りの祭り」を目指したのです。今でも、日によって勇壮にして華やかな「のの字廻し」などの曲曳きが披露されます。
今年の夏祭りは、7月15日(金)から17日(日)。10:00から22:00まで10台の山車の曳きまわしが行われます。期間中、各広場では休憩スペースが設けられ、飲食物や特産品が販売されるほか、各町若連による手踊り披露など各種イベントが行われます。小野川では観光渡し舟(シャトル舟)の運航もあり、小野川沿いの国選定重要伝統的建造物群保存地区を背景に、舟の上から曳きまわされる山車を見ることもできます。
<「佐原の大祭夏祭り」の概要>
◆開催日:2016年7月15日(金)~17日(日)
◆時間:10:00~22:00
◆アクセス:JR成田線「佐原駅」から徒歩10分
◆シャトル舟:利根川河川敷臨時駐車場からお祭り区域まで。往復券/大人1300円、 小学生700円
詳細は香取市の公式HPをご覧ください。
<写真提供>
香取市